はじめに
みなさま、お久しぶりです。今回は3月20日に発売された紅の砂漠のゲームの全体的な所感、善い点や悪い点、今後に期待することなどを書いていきたいと思います。なおこのレビューはどちらかというとカジュアルよりであり、筆者の個人的感情が多分に含まれることを考慮していただければと思います。
また、このレビューは80時間ほどプレイした後のものになります。また、ストーリー自体は5章後半まで進めていることは留意してくださればと思います。
総評
まず結論から行こうと思います。紅の砂漠は「良い点が光るが悪い点が悪目立ちしている良ゲー」というのが現時点での私の所管となります。
100点満点であれば78点くらいの点数でしょうか。荒削りではあるものの、広大な世界とその中に隠されたいくつもの秘密はプレイヤーの想像を膨らまし、見つけたものをSNSやyoutubeで共有することで生まれるコミュニティ駆動型のゲームであるという印象です。あの場所には何があるのか、どんな武器や装備が手に入るのかなど童心に帰ったような感覚を味わわせてくれるという点がこのゲームの核となる部分でしょう。そこが非常によくできていることで初動のセールスにつながっているのではないかと思われます。
一転、煩雑な操作や分かりにくいUI、もっさりとした動作など気になる点が山ほどあり、なぜこのような仕様を採用したのか理解に苦しむ場面に事欠かないのもまた事実です。実際、初期のSteamレビューは賛否両論であったことはこれらが原因と言ってもいいでしょう。運営であるPearl Abyssの対応が非常に素早い者であったがゆえに現在は持ち直しているようですが、そもそも最初からやっておけよという仕様が数多くあったことは否めません。
総じて人をめちゃくちゃ選ぶゲームであることは間違いなく、冒険や探検、発見を愛する人たちにとっては至高の一作となるでしょうが、反面現在多くのゲームで採用されている開発側からの積極的な介護はほとんどない点が受け入れられない、もしくは試行錯誤が苦手な方にはまったくオススメできないゲームであるといえます。
良い点
まずなによりも紅の砂漠が提供する世界、そしてそこにちりばめられた秘密を発見するという体験がこのゲームの核になっています。そしてそのクオリティは非常に高くなっています。かっこいい武器を見つけた時にSNSでシェアしたり友達に自慢するのもいいですし、逆にシェアされた情報を元に自分で発見しに行くというのもよいでしょう。そのような形でこのゲームのコミュニティが自発的に形成されていくのを見るとPearl Abyssは世界を魅力的に作ることに成功していると言えるでしょう。
また、運営自身のスピード感もよい点です。発売からわずかな期間でいくつもの不具合や不便な点を修正しているのはプレイヤーとしてこの運営はもっとこのゲームを魅力的な者にしてくれるだろうという期待を持てるものであり、簡単には放棄しないという信頼も生まれます。
そして、パフォーマンスに関する問題が少ないという点も評価できます。大作だけあって発売前は心配されていましたが、パフォーマンス面での悪評はほとんどありませんでした。内製エンジンであることが要因というのもUE5系に対する強烈な皮肉になっている点はよいですね。
悪い点
まず操作性が終わってます。多くのことを少ないボタンでどうにかしようとしたのでしょうか。結果として何かを押しながら別のキーを押すみたいな動作を頻繁に要求されます。特にCtrlキーを酷使することになるでしょう。ガードしながら剣を突く攻撃と光反射の構えが同じキーである(同時押しかそうでないかの違い)せいで戦闘中に結構な回数「違う、そうじゃない!」となったことがストレスでしたね。あげだしたらキリがないですし、おそらく修正するにはかなり大規模な改修が必要になるのでここはひとつの足きりラインになるかもしれません。そして執筆時点でコントローラーの配置換えもできない点はマイナスに映ります。キーボードはできるのになぜなのか、これが分からない。
リアルさを求めた結果、動きがもっさりしているのはしょうがないとしても、回避モーションに無敵時間が付いていなかったり(少なくとも私がプレイしている感じなさそう。あったらすみません)、動き出しや止まるまでの時間などが思っている二倍は長かったのも改善してほしい点ですね。ついでに言えば走り終わりのあの微妙に止まりかけているときにファストトラベル出来ないのはどうにかならないでしょうか?なんで?
次に凡庸なストーリーでしょうか。クリフは本当にまっさらというか没個性な主人公です。その割にキャラメイクはできないなどちぐはぐさが目立ちます。物語の進行自体も復讐&世界を滅亡から防ぐというなんともありきたりというか、ある意味では王道ともこすられ続けたストーリーともいえるもので、そういう物語性をこのゲームに求めている人にとっては大きな原点要素になると思います。これはサイドクエストにも言えることでチュートリアル的な意味も込められているクエストはともかく、その他のクエストは正直無味無臭であることは賛否分かれる部分であると言えなくもないです。ゲーム性を加味するとこれでも良いのかもしれませんがストーリーが良いとより多くのプレイヤーを惹きつけることが出来ただけに残念というほかありません。
UIや操作方法の表示もあまりよくないです。アイテムの表示順が場所によって唐突に変わったり、使い方の説明がその場面に遭遇するまで出ない=最後まで出ない説明がある可能性があるなど、ユーザーにすべてをゆだねながらもそのとっかかりすら用意しないというのはやりすぎだと思います。強化段階のプレビューは動画を通して初めて知りましたし、染色液などは収集品カテゴリにあるせいで誘導がなければ絶対にわからないまま売っていたことでしょう。インベントリ周りの不便さはあまり褒められないものであり、クエストアイテムが重要アイテムから一般アイテムに移る際に一部は使い道がないのに売却不能になっていたり、マップのタブ分けが絶妙に使いづらかったり(フィルターで実装できなかったのか?)改善が望まれる場所が多い印象です。
その他細かい点
アントゥンブラの○○系のクエストのボスが非常にきつかったです。あまり戦闘系が得意ではないというのは分かっているので初見時はまあしょうがないにしても装備を固めても2撃で沈められ、先ほど挙げたガード付きと光反射の誤操作、回避のもっさりさなど相まってやり直しすることなくクリアするのはできませんでした。ガード不可の攻撃があるのはいいんですが、その攻撃を避け損ねると多段ヒットで乙るのは戦闘デザインとしてあまりにも苛烈すぎないかと思います。私の腕が悪いという可能性もあるので悪い点には含めませんでしたが、まだおそらく三体くらいいるという事実は絶望しか感じません(しかもストーリー的にほぼ必須っぽいという)。
パズル系のギミックは全体的に謎解きというよりは理不尽なひらめきを要求する自己満足的なトリックの様相を呈しています。お前が頭悪いだけだろと言われるかもしれませんが、謎解きというのは一見すると分からないヒントやそもそもプレイヤーが何ができるのかを提示することで初めて成立するものであると考えています。その点、一部パズルは何の説明もなしにポンとお出しされるので解いてみせようという気持ちよりも面倒くさいという気持ちの方が大きくなってしまうことが多いです。これはボス戦などにおいても一緒でとっかかりもないのにギミックを解かされるのは試行錯誤を前提としたデザインであり、それ自体はよいもののリプレイまでのロード時間の長さやロード場所がセーブ場所と異なる点などからみても噛み合っておらずちぐはぐな印象を受けます。これもまた、筆者の能力面を考えて悪い点には含めませんでした。
最後にサブキャラについて。ストーリー途中で二人ほど操作できるサブキャラが出るのですが、主人公であるクリフと他二人の様々な仕様に関してです。強化や装備類を考えると最もプレイ時間が長くなるクリフに投資するのが合理的であり、途中離脱してしまうことも考えると他二人に割く資源は多くありません。それにも関わらずそのサブキャラでボス戦を強いられる(私はまだそこまで到達していません)点はストレス要素になりかねません。スキルポイントでもあるアビスアーティファクトは武器の強化にも使うのでサブキャラの育成など優先度は最後の方にならざるを得ない事情があります。そういった点は魅力的だったとしてもサブキャラを使わない方向へとプレイヤーを流してしまう要因で、突貫工事で追加した異物感のような印象を受けます。私自身が強制ボス戦を経験していないため、悪い点には上げませんでしたが、ゲームにもう少しなじませるような調整が必要でしょう。いっそDD2のポーンシステムのように従者として同行できるくらいのノリの方がよいかもしれませんね。
今後に期待すること
Pearl Abyssは今後もアップデートを継続的にしていく姿勢を見せていますし、現在進行形で迅速なアップデートを繰り返しています。そこで今後のアップデートで直るといいなと思うこと、あるいは追加してほしい機能を少し挙げます。
一つ目が全体的なサブキャラのシステムの改修です。スキルポイントをクリフと共有させたりするなど、もっと気軽にサブキャラたちを使えるとよいですね。装備は使いまわしができますがスキルはできないので、そこが改善されるとぐっと使いやすくなるのではないかと愚考します。最低でもクリフに振った分の何割かは振れるとうれしいですね。
二つ目は説明の導線を増やすこと。ある行動に対して何ができるのか、これを暗中模索するのではなく最低限ゲーム側で提示すれば、ギミックに対してこれが使えるかもなどのとっかかりを作れると思います。単純に最初から全開放でもいいですし、そうでなくとも表示する場所は増やした方がよい気がします。また、ヘルプの表示位置もアプデ以降隅に追いやられて探すのに手間取ったので元の位置に戻すか、スキルタブなどに移動してもらえると困ったときに助かると思います。
他にも走ってる途中でもワープできるようにしてほしい、犬の物資回収速度を上げてほしい、弓の操作性や使いやすさを上げてほしいなど無限にありますが本記事ではこの辺にしておきます。
追記(2026/4/5):走っている途中でもワープできるようになりました!ありがてぇけど最初からそうであってほしかった! 後ついでなんですが、本作のモブの翻訳は結構適当な気がします。おいとしか言わないNPCでも結構英語だと悪態ついていたり衛兵もまあまあ口が悪いのにかなりマイルドに訳されています。これはどういう判断なのかというのは分かりませんが少し気になりました。
全体を振り返って
このゲームは間違いなく私にとっては良いゲームでした。ただし、それは私にとってであって神ゲーとまではいかないのがおそらく最終評価となるでしょう。凡作よりは良いが神ゲーとまではいかない、そんなゲーム。MMOがこのゲームの開始地点と言われた時にはまあ納得してしまう程度には全体的に荒削り感が否めない作品であり、MMOの運営が開発したからこその操作性やUI設計なのだと思います。冒険し発見するという核の部分はMMOでも存在するからこそ、ここまで高い完成度を実現できた一方、シングルプレイのゲームには当たり前の機能の欠如という副産物も生んでしまったのでしょう。
人にオススメするか?と聞かれたら間違いなくNOが答えになります。しかし、それでも面白いゲームであるとは間違いなく言えるでしょう。ですので皆様におかれましては荒削りな点を踏まえた上で購入することをおすすめします。
では、よきゲーム体験を。



