忍野みみづの日記帳

おえかきとかゲームとかとか

ポケモンSV初見レビュー(ネタバレなし)

 初めに

どうもみみづです。今回は新しく発売されたポケモンスカーレット、バイオレットに関する今のところ(11/20日時点)の所感と良い点や悪い点を見ていきたいと思います。なお筆者はクリア前なのでストーリーに触れるというよりはパフォーマンスやグラフィック、システム面などがメインの話題になってきます。

また、キャラデザインやストーリーのネタバレなどはしませんのでネタバレをご所望の方は別のサイトにアクセスしていただけると幸いです

 良い点

まず、新作のポケモンという点。これだけで評価というのは上がるでしょう。特に新しく追加されたポケモンや進化先などはかなりデザイン面で良く見えますし、ニャオハが立つのかなど話題となったところも含めてとても楽しくプレイできました。その中でも一番驚きだったのはPVで公開されていた新ポケモンの少なさと、それに付随して序盤に新ポケモンが大量でに出てくる点でしょうか。初めの道路の時点で知らないポケモンばかりでかなり新鮮な体験をすることができたと思います。どのポケモンも一癖二癖あり、今までになかったタイプの組み合わせや特性、そして技などを見ているだけでも楽しかったです。

また、テラスタルもかなり序盤で解禁されるため(目玉なのである意味当然ですが)、何回かの戦闘を経て新要素に触れることができた点はよかったかなと思います。

そして、従来のジムバッジを集めながら悪の組織と戦うという一本道ではなく、3つのルートが用意されている点もよかったです。ストーリーはポケモンの場合、多くは軽視されがちなところがあると感じていたので登場人物に触れつつも様々な場所をルートを頼りに探索していくというのは新鮮でした。さすがにそれぞれで完全に別のギミックを用意するというのは難しいですが、ジムチャレンジなどでジムリーダーと戦う前に軽いミニゲームのようなものがあったのは工夫を感じられるポイントでした。

なによりマップ探索における自由さが感心した点です。この手のゲームはフラグ管理など様々な理由からチョークポイントのような場所や障害物が用意されがちですが、SVでは初期の段階からかなり自由に動き回ることができました。具体的には初期段階で最終ジムと思われるところまで余裕でいけるのです。その段階では遊泳はもちろんジャンプもかなり低く行ける場所に制限がかかると思いきや意外とあっさりたどり着くことができました。ただ、レベルは北に行くにつれて高くなっていくように設定されているためそこは注意が必要でしょうか。

それとレベル上げが比較的効率的に進めることができるようになったのもよい点だと思われます。特に今作では難易度がやや高めに設定されているのか、ジムリーダーのレベル上限やストーリーの要所での戦闘がなかなか難しくなっています。そのため、レベル上げの効率化は歓迎されるところでしょう。また、対NPCバトルが任意になったところもよい点と数えてもいいかもしれません。おそらくプログラムすることが大変(視線などの管理やNPCが移動することなど)だからというのもありはしたのでしょうが、これも歓迎できる変更点でしょうか

まとめると

  • 新要素や新ポケモン、既存ポケモンの新しい進化先などがどれもデザインが秀逸で新鮮だった点

  • ルートを分割してプレイスタイルを変えることができる点

  • マップ探索の自由度が非常に高い点

  • レベル上げの効率化が可能になった点

  • NPC戦が任意になった点

これらが個人的に良かったと感じたところでした

 微妙な点

パフォーマンスにところに触れる前に細かい気になった点を挙げていきます。

まず、マップが広大であるのに対してめぼしいランドマークがそこまで多くなく、立ち止まりたいような光景を体験することはなかなかできなかった点です。テクスチャの粗が目立つことや建物のほとんどが張りぼてである点、街の規模がかなり縮小されている点などはやはりオープンワールドにしたからこその弊害といえるでしょう。容量やレンダリング、メモリの観点からPCやPS4、PS5で動くゲームのようなクオリティのグラフィックを期待していたわけではありませんが、やはりもう少しどうにかならなかったのかというのは思ってしまいます。

次点で気になったのは所々に見られるバグの存在です。裏世界が見えるのはデフォルトとして、時折キャラが消えたりすることもありさすがにポケモンレジェンズとほぼ並行して作られたであろう点を考えても無理があったのだなと感じざるを得ないクオリティという印象です。

そして何よりも気になってしまった点はパフォーマンスの問題でしょう。具体的には頻発する遅いロードや目に見えて動きが遅くなるシーンが多々見受けられたことです。移動時にパーティクルが多いのか、エンティティが多いのかかなり遅くなることが頻発するのは大手のゲーム、しかもかなり力の入れた作品であることを考えるといかがなものかと思ってしまいます。そして、随所にある微妙なタイムラグもちょっとしたストレスの要因になっていました。例えばボックスを切り替えたときに少し間が空いて徐々にポケモンが表示される点や、着替えをする際にキャラの表示に時間がかかったりするなどプレイ自体に影響はないまでも小石に妙に躓き続けるような不愉快さがありました。会話やムービー、レイドバトルの開始などで挟まれるロードも剣盾では気にならなかったのが今作では目につくようになってしまうのも仕方ないことでしょう。

さすがにダイパリメイク程ではないにしても、メタスコアが過去最低点数であることはなんとなく納得してしまいます。このクオリティで出すくらいなら1か月延期(それで直るかは微妙ですが)など延期措置があったほうが良かった可能性もあります。ゲームの中身自体は非常に完成度が高く面白いのにこのようなパフォーマンスなどのゲームの土台となる部分をブラシアップせずにリリースを迎えたのは非常に残念でなりません。

ただしこれらバグやパフォーマンス問題は今後改善される可能性が非常に高く、マップの単調さや没入感に欠けるグラフィックもそれを補って余りあるストーリーや新要素でおつりが出ている状態なので全体としては評価は高いです。

またレジェンズのころからの仕様でしたが、ある程度離れるとあらゆるオブジェクトの動きが超低フレームレートになる点も地味に気になるところです。かなり極端にFPSを落としていて逆にそちらに目が行ってしまうなどあまり賢い実装の仕方とは思えません。しかも離れるといってもそこまで離れているわけでもないので余計に目につくというのが何とも。まあ、これは重箱の隅をつつくような感じはするのでこれ以上の言及は避けます。結局、それが気にならないくらいパフォーマンスに問題があったのですから。

まとめると

  • マップが単調でただ広い土地を見せられているような気分になる点

  • テクスチャの粗や張りぼて感がやや出てしまっている点

  • 長いロード時間や画面が遅くなる、あるいは処理落ちが発生するなど最適化したんか?と問いたくなるパフォーマンスにおける問題点

  • 離れた物体が超低FPSになってそれが妙に目につく点

以上がSVにおいて微妙と呼べる点です。もっとも、処理関係の話はおそらく遅かれ早かれ年内には解決するでしょうし、マップに関しては一応要所要所で気合の入っている場所はあるので悪いとまでは断言できないでしょう。ただし、この状態でリリースしたのは個人的にはあまりよろしくなかっただろうなと考えてしまうところです

 総括

以上が新作ポケットモンスター、スカーレットとバイオレットの個人的な評価です。10点満点ならばおそらく7点くらいをつけるかなといった感じです。その大きな原点の要因となったパフォーマンス関連のあれこれに関しては1日も早い改善が望まれるところですね。オープンワールド系の開発は想像を絶するくらい大変でしょうし、なにより実質初めての試みであったのでそのような点を加味すれば十分良いゲームと言えると思います。どこで妥協するかというのはなかなか難しい問題ではあるので内容に一切の妥協を感じさせないのであれば高々数週間パフォーマンスが悪かったことくらい、些細な問題でしょう。

なんだかんだ文句を言いつつもプレイしてしまうということからも、性能はさておき中身はとても良いものだったということの証拠でもあるのでしょう。とはいえ気になるには気になりますが。総括としては、非常にいいゲームだが妥協してはいけない部分で妥協してしまい輝かしい第一歩に泥を塗ってしまったといったところでしょうか。実際のところ、プレイのスムーズさや快適さは評価に直結する項目だというのは言うまでもないことです。その点からも、テストプレイで判明した時点で治すべき優先度の高い問題だったと考えられますがどのような意思決定が行われたのかは神ならぬ任天堂のみぞ知る、ということですかね。

ニャオハが立ったのか、あるいは立ってないのか。新作ポケモン、スカーレットバイオレットは総合的には面白い作品ですので気になる方はぜひ手に取ってプレイしてみてはいかがでしょうか。では~